2014年9月21日日曜日

背泳ぎのスタート技術【1:疑問,出発点】

【なぜ,背泳ぎのスタートは難しいのか?】
一旦,水上に飛出したあと,一点入水するための技術的なポイントはどこにあるのか?
ルール改正によって,スタート用バーが導入された場合,どのようなことが予想出来るか?どんな選手にとってメリットが出るか?
具体的にどうすれば,巧い,つまり速い背泳ぎのスタートが実現出来るのか?

こんな疑問を考えてみたいと思います.それには下準備として,少し力学的な発想が必要なので,小出しにしながら,質問があれば理解が得られてない,と考えて少しずつ考えて行きたいと思います.


具体的には,技術的に重要な,そして面白いことが4,5点あります.現在の研究テーマのひとつです.

【背泳ぎの特徴】
なぜか,背泳ぎだけがルールによって,水中からのスタートを義務づけられています.文句を言っても仕方がありません.そういうものなのです.後ろ向きな人がやる種目,というわけではありませんが,後ろ向きに(正確には裏返し)進みます.一緒に泳いでいる人のうち,先行している人を見にくい,というのも背泳ぎの特徴です.これはボート競技にも似ていますが,先行していることで心理的に有利になる,ということはボート競技の特性でボート競技では絶対にスタートダッシュで先頭を奪う努力をします.さもなければ,自分達が一体どのくらい,相手から離れているか,知ることが出来ないからです.背泳ぎ選手ではなかったので,先行されるとどのくらい心理的にダメージを受けるのか,わかりませんが,聞いてみたいところです.ちなみに,ボート競技については,デビッド・ハルバースタム著,「栄光と狂気―オリンピックに憑かれた男たち」(1987) に描かれています.「栄光と狂気」はスポーツを題材にした実話のなかで,私は傑作だと思います.古い本ではありますが,スポーツ選手やコーチなら,魂を揺すぶられることは間違いないと思います.怪我で数年も水泳から離れていたとき,大いに励まされました.

いきなり余談になってしまいましたが.背泳ぎは少々違うことを泳ぎの技術とは違う側面から書いてみました.ほんとは単に,「栄光と狂気」を読んで欲しいだけでした..

ここからは,背泳ぎスタートのメカニクスに関する話です.泳ぎのメカニクスについても,背泳ぎは,裏返しになってるだけと思いがちなクロールと大変異なる点があり,スタートの話題が終わらせることが出来たら,書いてみたいと思います.

0 件のコメント:

コメントを投稿